横川歯科医院
院長 互 亮子
普段は意識しないかもしれませんが、口の役割は実に様々で、多彩な暮らしを支えています。口の健康を保てるということは食べられる・生きられる・暮らせる=命を養えることに繋がります。
口の健康を脅かす歯の喪失!その二大原因はむし歯と歯周病という細菌感染症です。むし歯原因菌は乳幼児期に、歯周病菌は思春期に家族間等で感染し、バイオフィルム状態で常在しています。歯が抜けない限り、常在菌のバイオフィルム細菌を駆逐することはできません。バイオフィルム細菌を低病原性(定常状態)に制御することがむし歯や歯周病の治療であり発症予防である、と21世紀の予防歯科で示されています。
一方、30年以上前から続く8020運動のおかげで、80歳で20本の歯を維持している高齢者は2人に1人と増えています。しかし、それ以上の速さで高齢者人口が増え、予防が必要な高齢者の歯の総数は驚異的に増加中です。昭和の子どもむし歯洪水から、令和は高齢者の根面むし歯と歯周病の嵐が吹き荒れるかもしれません。重篤な歯周病や多数歯の喪失が、認知機能障害と強く関連することを示す複数のエビデンスもあるようです。口の健康が脳の健康にまで影響を及ぼすなんて、だれが想像できたでしょう。
新型コロナウイルス感染症のような、地球規模で蔓延するパンデミック疾患には公衆衛生的な予防手段が有用です。むし歯という病気も実は、世界中の人々の歯の一生を通して感染し続けることからパンデミック疾患と捉えることができるでしょう。WHOが推奨する公衆衛生手段のひとつ、フッ化物を水道水で利用するフロリデーションという予防手段を使えば、小児から高齢者まで誰もむし歯予防から取り残されずにすむのですが、残念ながら現状では利用できません。次善の策として、せめて学校や幼稚園・保育所等に通っている小児期だけでも、皆と一緒にフッ化物洗口して健康な歯のスタートを切ってほしいものです。
当院は、お口の健康維持に励まれる患者様一人ひとりに寄り添いながら、バイオフィルム細菌と歯・歯周組織のバランスが崩壊しないよう末永くサポートして参ります。
院長略歴
筑波大学附属病院歯科口腔外科 |
日本大学松戸歯学部口腔外科勤務 |
1980年地元吉川市に横川歯科医院開設 |
所属学会
日本歯科医師会会員
埼玉県障害者歯科相談医
吉川市立三輪野江小学校歯科校医
吉川市立第二保育所・吉川市子ども発達センター嘱託歯科医
一般社団法人日本口腔衛生学会会員
Er.YAGレーザー臨床研究会会員
NPO法人日本フッ化物むし歯予防協会会員
NPO法人ウォーターフロリデーションファンド会員
特別養護老人ホームききょう苑協力医